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糖尿病網膜症

Medical

糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症として起きてくる眼の病気です。予備軍も含めると2,000万人といわれる糖尿病の患者数の多さもあって、糖尿病網膜症は緑内障とともに成人してからの失明の大きな原因疾患となっています。

糖尿病には、のどが渇く、多尿などの症状がありますが、これらは病状がかなり悪くならないと気づきません。そのため初期~中期では自覚症状がほとんどないために、糖尿病に気が付かないことや、健康診断で指摘されても放置している方も少なくありません。しかしその間にも糖尿病は確実に進行し、合併症が悪化していきます。

糖尿病の合併症としては糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経症などがあると言われています。

眼合併症には糖尿病網膜症のほかに白内障、ぶどう膜炎、外眼筋麻痺などいろいろあります。

網膜には細かい血管が密集しています。そのため、高血糖状態が続くと眼内の血管が徐々に詰まって、網膜に栄養や酸素が届かなくなります。そのような状態になると、網膜に新しい血管(新生血管)が生まれ、酸素不足などを補おうとします。

しかし、この新生血管はもろく、かつ、硝子体出血しやすく、悪化すると増殖膜を形成します。その結果牽引性網膜剥離を起こし、失明の原因にもなります。

網膜症の進行は大きく三段階に分かれており、単純型(血管透過性亢進の状態)→前増殖型(血管閉塞の状態)→増殖型(血管新生の状態)です。糖尿病網膜症は、糖尿病になってから4〜6年で単純型に、10〜15年で前増殖型になるといわれています。いったん前増殖型になると、半年から1年で増殖型になるとされています。

患者様の中にはかなり進行するまで自覚症状がない場合があり、まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。網膜症は一度進行すると改善することは困難であり、放置すると失明に至る病気で、早期発見、早期の進行抑制が重要となります。

現在では、失明を食い止める治療が確立してきていますので、以前は失明原因の第一位であったのですが、現在では第四位と、失明する方が少なくなってきています。定期的に眼科検査を受けられる方が多くなってきて、手遅れにならないですんだためと思います。

進行を食い止める治療の第一は血糖のコントロールをよくすることです。よしんば、眼合併症が起こってきた場合でも、レーザー光凝固、硝子体手術や黄斑症があるときには硝子体に注射するなどの進行を食い止める治療があります。これらの治療が手遅れにならぬよう、定期的に眼科検査をすることが大切です。

糖尿病と診断された方は、目の症状がなくても定期的に眼底検査を受けるようにして下さい。